2017年9月にイギリスのハヤブサのブリーダーを訪ねました。
クリックで大きな写真が見られます。
広大な敷地に240ペア以上のハヤブサが飼育されています。

こちらは繁殖用のオスのシロハヤブサ。
このブリーダーは人工授精用のハヤブサをよく鳴くように育てていました。
とてもうるさいのですが、野生のハヤブサのように交尾前の鳴きかわしをさせるねらいがあるそうです。
生まれたヒナのほとんどが中東(ハヤブサの競技が盛ん)に輸出されます。

画像左下に見えるタンクに人工授精用の凍結精子が保存されています。
ワシタカ類の精子は1か月ほどは保存できるそうですが、
不思議なことに、ハヤブサ類のものは24時間もすると鮮度が落ちてくるそうです。

のぞき窓から見た繁殖部屋の様子。天井には金網がはられています。

各繁殖部屋に3台ずつカメラが設置され、様子を24時間観察することができます。

ふ卵器(インキュベーター)です。
2月の終わりごろから産卵シーズンになるそうです。
まず上段のふ卵器に入れ、日数が進むと下段のふ卵器に移すそうです。
種類にもよりますが30日前後でふ化するとのこと。

ヒナが無事孵ったら育すう器(ブルーダー)に移します。
最初は上段の箱型の育すう器に、ある程度育ったら下段のヒヨコ電球のあるバケツに移します。
ヒヨコ電球はコードの長さが変えられるようになっており、温度調整ができます。

これだけの量のヒヨコを一日で消費してしまいます!
様々な餌を与えていますが、ラット、鳩、七面鳥のヒナとハイイロリスもよく与えているそうです。

羽根がそろったヒナは、輸出のときまで大き目(9*7m程度)の部屋に放しておきます。

顧客の要望によっては、屋外の大きな(直径25m程度)金網小屋で自由に運動させます。

屋根付きのウェザリングヤードで日光浴する繁殖用のペレグリンハヤブサたち。